ビックバイパーのデザイン変遷と機首の先割れについて考えてみました。
- メモ
- トップ画像はビックバイパー ver.グラディウスⅤ - PLUM ⇗より引用しました。
- このページはウンディーネ 2 企画書の補足説明用に作成したものです。そのため事実と二次創作が混同している箇所があります。あらかじめご了承ください。
§1 デザイン変遷
1992 年 2 月 7 日発売の X68000 版 『グラディウスⅡ~ゴーファーの野望~』 にグラディウスⅡ設定資料集 「THE OFFICIAL ART OF GRADIUSⅡ」 が付属しました。
STAFF によると VIC VIPER DESIGN は T
なお ARMAMENT ILLUSTRATION は HAZIME KATOKI 氏となっていますが、 VIC VIPER MODEL BP-827Z STAR FIGHTER のページにはその名前がありません。どうやらカトキハジメ氏はコックピット、 武装、 エンジンのイラスト&監修のみの担当だったようです。この武装デザインは 1992 年 12 月 1 日発売の PC エンジン SUPER CD-ROM²版オープニングデモ ⇗に使用されています。
1991 年のビックバイパー立体化計画で、 T
グラディウスⅡ設定資料集 「THE OFFICIAL ART OF GRADIUSⅡ」
T
カトキハジメ氏がデザインした武装の一部
三枝徹氏がモデル制作したビックバイパー
なお 2022 年 2 月 4 日に PLUM がこのビックバイパーをプラモデル化予定と発表した。
「↑↑↓↓←→←→BA 35th」 さらにスペシャルな企画発表! | プラム ・ スタッフ ブログ ⇗
原点回帰すると、 1985 年 5 月 29 日発売のアーケード版 『グラディウス』 のビックバイパーはパッケージイラストでは双発機
しかしゲーム中のプレイヤーキャラクターは単発機
このような表記揺れは、 パッケージイラスト、 取扱説明書、 ゲーム中のビジュアル、 ゲーム中のプレイヤーキャラクター、 移植版、 雑誌イラスト等多岐にわたります。
アーケード版 『グラディウス』 パッケージイラスト
MSX 版 『グラディウス』 ビックバイパー (取扱説明書より) ゲーム中に合わせて単発機として描かれている。
PC エンジン版 『グラディウス』 ビックバイパー (取扱説明書より) パッケージに合わせて双発機として描かれている。
例えば MSX 版 『グラディウス 2』 のメタリオンはパッケージイラストが機首が割れていない
おそらく 2004 年 7 月 22 日発売の PS2 版 『グラディウスⅤ』 初回生産版特典の 「ビックバイパー開発史」 で、 機首が割れている部分がパルスレーザーカノン 「ヴィザーク」 という設定になったため、 それに準じたものと思われます。巻末に登場するメタリオン X01
MSX 版 『グラディウス 2』 メタリオン (パッケージイラスト)
MSX 版 『グラディウス 2』 メタリオン (取扱説明書)
『ビックバイパー開発史』 メタリオン X01
また機首が割れていて垂直尾翼が 2 枚の双発機
このように正統な続編とされるアーケード版では初めてのデザインでも、 既にグラディウスファンの間では見覚えのあるデザインとなっていた例もあります。
アーケード版 『ソーラーアサルト』 アルピニア (ゲーム中グラフィック)
ソーラーアサルト参考資料
ファミコン版 『沙羅曼蛇』 取扱説明書よりビックバイパー (上) とロードブリティッシュ (下)
ファミコン版 『コズミックウォーズ』 パッケージイラスト
アーケード版 『グラディウス』 にあった表記揺れが発端となって、 ビックバイパーの形にさまざまな解釈をもたらしたのです。
その中でも 「機首が割れている」 ということが最大の特徴です。垂直尾翼やエンジンの数が変わっても、 ファンはビックバイパーと認識しています。
なお、 2003 年 2 月 13 日発売の PS2 版 『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』 で人型ロボットに変形するビックバイパーが登場して以降、 割れた機首が機体と一体化していないデザインのものも見られるようになりましたが、 詳しくは 「§2 機首の先割れ」 で取り上げます。
§1-1 沙羅曼蛇2
1996 年 1 月発売のアーケード版 『沙羅曼蛇 2』 も表記揺れが著しい例となります。1P 機、 2P 機ともに巨大な垂直尾翼が特徴的なデザイン
パッケージイラストでは 2P 機は赤いビックバイパー
また設定資料にはスーパーコブラの元となった主力戦闘機コブラが登場します。弊サークル作品 『ウンディーネ』 に登場するコブラの元ネタです。
アーケード版 『沙羅曼蛇 2』 パッケージイラスト (画像はサントラ CD)
沙羅曼蛇 2 設定資料集
アーケード版 『沙羅曼蛇 2』 スーパーコブラ (設定資料より) 垂直尾翼はビックバイパーよりもさらに大きい。
沙羅曼蛇 2 設定資料集
kaguyadepth 『ウンディーネ』 コブラ (イラスト : 佐呂間天)
ウンディーネ (仮想ゲームサントラ)
§1-2 ウンディーネ2
弊サークルが現在制作中の 『ウンディーネ 2』 では、 沙羅曼蛇 2 のビックバイパー開発中に主要メンバーが独立し、 新たにジュノファーストというビックバイパー量産型を作るという裏設定になっています。この項目ではビックバイパーのデザイン変遷を踏まえて、 ジュノファーストの形を探ります。
ウンディーネ 2 企画書 (第 2 稿) > 設定資料 > 用語集 > ジュノファーストで、 私が想像するジュノファーストについてこのように書きました。
- 基本的に 『沙羅曼蛇 2』 のビックバイパーからオプションシュートをオミットしたものであるが、 外見は大きく異なる。
- 『ソーラーアサルト』 のアルピニアや、 ファミコン版 『沙羅曼蛇』 のビックバイパーのような、 機首が割れていて、 垂直尾翼が 2 枚の双発機。
- 機体色はベースカラーが灰でアクセントカラーが青
というのはどうか? (ゼータプラス)
また沙羅曼蛇 2 設定資料集では垂直尾翼に多種のショットやオプションを発生させる心臓部 (メインパワージェネレーターユニット) が収まっていることになっています。
ジュノファーストを作るきっかけがオプションシュートの是非だったので、 オプションシュートがなければ垂直尾翼はあそこまで大きくする必要はないのではないか
この点に関しては企画書を第 1 稿から第 2 稿に書き直す際に見落としていたようで説明不足だったと思います。すみません。
このようにジュノファーストは、 『沙羅曼蛇 2』 のビックバイパーを元に、 『ソーラーアサルト』 のアルピニアや、 ファミコン版 『沙羅曼蛇』 のビックバイパーを参考に、 機首が割れていて、 小さめの垂直尾翼が 2 枚の双発機としてデザインし、 機体色はベースカラーが灰でアクセントカラーが青
アーケード版 『沙羅曼蛇 2』 ビックバイパー (設定資料より) 機首が割れている部分に横棒があるのが特徴的。
沙羅曼蛇 2 設定資料集
アーケード版 『ソーラーアサルト』 アルピニア (ゲーム中グラフィック)
ソーラーアサルト参考資料
ファミコン版 『沙羅曼蛇』 取扱説明書よりビックバイパー (上) とロードブリティッシュ (下)
ただし 『ウンディーネ 2』 はオリジナル作品ですので、 パッと見た感じをビックバイパーとは違うものにしたいのです。そこが悩みです。(このページを作った動機です)
他社のゲームに登場するビックバイパーに似た特徴を持つ戦闘機は、 割れた機首が機体と一体化しておらず、 主翼の下になっているデザインのものがあります。デザイン差別化の参考になりますでしょうか?
Xbox One 版 『雷電Ⅴ』 スピリッツ ・ オブ ・ ドラゴン
雷電Ⅴ公式サイト ⇗
PC エンジン版 『スターブレイカー』 ペガサス (パッケージイラスト)
Star Breaker - The PC Engine Software Bible ⇗
PC エンジン版 『スターブレイカー』 ペガサス (ゲーム中グラフィック)
スターブレイカー - レトロゲームの殿堂 - atwiki (アットウィキ) ⇗
2022 年 2 月 23 日 萌尽狼 (kaguyadepth)
§2 機首の先割れ
2022 年 2 月 7~10 日に書いた、 ビックバイパー最大の特徴である機首の先割れ
一部§1 デザイン変遷と重複している箇所があります。悩みの解決方法を探りながら書いたのでまとまりのない文章ですがご容赦ください。
§2-1 いきさつ
kaguyadepth では、 2021 年 7 月 4 日の沙羅曼蛇 35 周年に合わせ、 沙羅曼蛇 2 の前日譚を裏設定とした 『ウンディーネ』 というオリジナル作品を制作しました。
ウンディーネの目的のひとつに、 沙羅曼蛇 2 のスーパーコブラの設定資料のみに登場する主力戦闘機コブラの姿と開発経緯を明らかにすることがありました。
沙羅曼蛇 2 は星間歴 0999 年の出来事となっていますが、 これがグラディウス歴ではいつ頃の出来事なのか公式設定がなく、 長年の謎とされてきました。
そこで kaguyadepth では、 コズミックウォーズの宇宙歴が星間歴と近いことに着目し、 独自の裏設定ウンディーネ ・ ユニバース年表を作成しました。
主力戦闘機コブラのイラストおよびメカニック考証は佐呂間天さんに依頼し、 大変満足がいくものができたと自負しております。
しかしウンディーネ ・ ユニバースは沙羅曼蛇 2 のためにこじつけた年表であったため、 ひとつ大きな問題がありました。『グラディウス外伝』 です。
グラディウス外伝はオープニングデモによると 『グラディウスⅢ~伝説から神話へ~』 の 200 年後、 グラディウス歴 7040 年の出来事となっています。
またビックバイパーはグラディウス外伝が 11 代目、 沙羅曼蛇 2 が 6 機目
ウンディーネ ・ ユニバースでは沙羅曼蛇 2 をグラディウス歴 7008 年の出来事としたため、 200 年の永い平和が 32 年に大幅短縮
32 年間でどうにか永い平和を感じさせるには、 この宇宙で大きな戦争があったとしても少なくとも 30 年はグラディウス本星に直接被害が及ばない話にしなければなりません。
そしてその短い期間でビックバイパーを 4 回フルモデルチェンジしないとつじつまが合わない
kaguyadepth では、 2022 年 8 月 28 日のグラディウス外伝 25 周年に向けて、 沙羅曼蛇 2 の後日譚を裏設定とした 『ウンディーネ 2』 を作ることにしました。
沙羅曼蛇 2 の後日譚は約 20 年前に旧サークル名義で 『ステイリゼル』 という仮想サントラを制作しており、 今回はこれの二度目のリメイクになります。
ステイリゼルから引き継いだのは登場人物と大まかなストーリーだけで、 主人公たちの乗る宇宙戦闘機は新たに設定しなくてはなりません。
ここでとりあえず 4 機出そう
一度に 4 機出しても同じ世代なのでフルモデルチェンジにはならないという矛盾を抱えたままではありますが、 それは続編を作る糧としたいところです。
『ウンディーネ』 はコミティアでも頒布できるよう、 オリジナル楽曲に付随するストーリーやイラストもできる限りオリジナルにしようとしています。
そのため 「ビックバイパー」 等の固有名詞は使用禁止なのですが、 誰も見たことがないコブラとは違ってビックバイパーをにおわせる要素は残しておきたいのです。
ビックバイパーの大きな特徴は “巨大なはさみ” のような、 2 つに割れた機首だ。
機体のメインカラーは白で、 青いラインがアクセントとなっている。機体と一体化した翼、 大きな垂直尾翼も印象的だ。全体的にシャープでスマートなイメージの機体だ。
【特別企画】 ガレージキット、 「沙羅曼蛇 『ビックバイパー』」 レビュー - GAME Watch ⇗
先割れの戦闘機は他の SF 作品にも登場しますが、 こと日本のゲーム関連に限っていえばビックバイパーの独壇場と言っていいでしょう。
しかもビックバイパーには、 単発 ・ 双発、 尾翼が 1 枚 ・ 2 枚、 機首が機体と一体化してないもの、 人型ロボットに変形するものなど多種多様なバリエーションが存在します。
ビックバイパーとデザイン的な衝突を回避した宇宙戦闘機を新たにデザインすることは果たして可能なのでしょうか?
しかし前例がないわけでもないのです。『雷電Ⅴ』 のスピリッツ ・ オブ ・ ドラゴンは先割れですが雷電としてきちんと見分けることができています。
また PC エンジンの RPG 『スターブレイカー』 のペガサスは一見するとビックバイパーそっくりですが、 エンジンまわりのデザインに違いが見られます。
- スターブレイカー - レトロゲームの殿堂 - atwiki (アットウィキ) ⇗ (ゲーム画面)
- Star Breaker - The PC Engine Software Bible ⇗ (パッケージ)
今回も佐呂間天さんには無理難題をご依頼することになってしまい大変心苦しく思っておりますが、 同じ問題にぶつかって悩んでいるデザイナーさんも多いことでしょう。
ここで一度こうすればビックバイパーではない先割れ戦闘機をデザインできるというコツをつかむことができれば
私自身がもっとミリタリーや SF に詳しければ独力で問題解決できたのかもしれませんが、 シューティングゲーム以外を見てこなかったのでわからないことだらけなのです。
そんなことも知らなかったのかと思われるようなことも多々あるかと思いますが、 しばらくお付き合いいただければ幸いです。
2022 年 2 月 10 日 萌尽狼 (kaguyadepth)
§2-2 グラディウス以外のSF作品に目を向ける
木を見て森を見ずといいます。ビックバイパーのデザインのルーツになったであろう SF 作品がいくつかあるはずです。
機首の割れたデザイン、 グラディウス、 それとも?| OKWAVE (2012
- 質問者
- 映画 『スターウォーズ』 新 3 部作以降に、 機首の先端が割れたデザインのモノが多くデザインされています。
- 映画 『スターウォーズ』 のミレニアムファルコン号が先割れデザインです。
『スター ・ ウォーズ』 の 「ミレニアム ・ ファルコン」 研究に人生を捧げた男 (後編) 「ミレニアム ・ ファルコン」 のユニークなデザインが生まれた理由 | 文春オンライン ⇗
という記事を見つけましたが、 先割れについての記述はありませんでした。
もし 90 度回転して縦型になるマンボウ案が採用されていたら、 スペースマンボウはどうなっていたでしょうね?
ともあれ比較的最近の作品である 『スターウォーズ』 新 3 部作以降に、 機首の先端が割れたデザインのモノが多くデザインされているという事実は見逃せません。
- スター ・ ウォーズ エピソード 1
/ファントム ・ メナス (1999 年) - スター ・ ウォーズ エピソード 2
/クローンの攻撃 (2002 年) - スター ・ ウォーズ エピソード 3
/シスの復讐 (2005 年)
- 回答No.2
- 劇場版アニメ 『レンズマン』 (1984) のブリタニア号 (E
.E.スミスの原作にはないアニメオリジナル。同年テレビアニメ化。デザイナー : 渡部隆)
- 劇場版アニメ 『レンズマン』 (1984) のブリタニア号 (E
- 回答No.3
- 映画 『25 世紀の宇宙戦士キャプテン ・ ロジャース』 (1979) のスターファイター
- 劇場版アニメ 『クラッシャージョウ劇場版』 (1983) のマーフィ ・ パイレーツ戦闘機ハーピィ (デザイナー : 河森正治)
このあたりが参考になりそうです。しかし検索してみても、 なぜ先割れデザインになったのか、 その秘密はわからずじまいでした。
『クラッシャージョウ』 は古いアニメ雑誌などに詳しく書かれているのかもしれませんが…
なお 『クラッシャージョウ』 は近年リマスター版やプラモデルが発売されており、 ハーピィをさまざまな角度から見ることができます。
- アニメ 「クラッシャージョウ」 HP ⇗
- 「クラッシャージョウ」 TR-5 ハーピィ “ノーマ機” | 株式会社 ハセガワ ⇗
- 「クラッシャージョウ」 TR-5 ハーピィ “ネロ機” | 株式会社 ハセガワ ⇗
ハーピィのデザインは機首が機体と一体化してないため、 人型ロボットに変形するビックバイパー (ゾラディウス、 武装神姫) に近いデザインですね。
§2-3 遊戯王シリーズ
シューティングゲームを遊ばない、 グラディウスを知らない人たちに、 ビックバイパーを広めたきっかけとして遊戯王シリーズが挙げられるのではないでしょうか?
- イースター島のモアイ/The Statue of Easter Island (1999 年 5 月 25 日発売"BOOSTER2")
- 超時空戦闘機ビック ・ バイパー/Gradius (2000 年 12 月 14 日発売"Thousand Eyes Bible -千眼の魔術書-")
遊戯王シリーズでビックバイパーが発売されたのは 2000 年ですが、 モアイが発売されたのは 1999 年。
モアイは 「口から丸いレーザーをはく」 そうで、 明らかにグラディウスのモアイですね。
§2-4 ビックバイパー開発史
ビックバイパーがなぜ先割れなのか?については、 PS2 『グラディウスⅤ』 初回特典 『ビックバイパー開発史』 に理由が書かれています (ニコニコ大百科より引用)
そして同社はコンペ一番手となった試作機 『スタードロックス Mk1 ・ TX』 に搭載されていたパルスレーザー砲"ヴィザーク"(ビックバイパーの機首先端で先割れしているアレ)
と、 グラディウス宇宙防衛省が開発した実験機 『ライゼット 5』 に搭載されている、 対消滅炉のエネルギーをリークパワーと呼ばれる超能力で制御する"リークパワーエンジン"、 これら二つの要素を統合してビックバイパーの原点となる試作戦闘機 『スター ・ バイパー AX ・ Mk1』 を開発する。
というわけでビックバイパー風の機体デザインをするうえで 「先割れ」 は避けて通れないようです。
§2-5 ビックバイパーのバリエーション
- 注意
- この項目は書きかけです (2022 年 2 月 10 日)
- 前進翼のビックバイパー
- スカイガールズ ※明貴美加デザイン
- 武装神姫 ビックバイパー型 MMS ヴェルヴィエッタ ※明貴美加デザイン
- グラディウス ・ ザ ・ スロット
- 垂直尾翼が2枚のビックバイパー
- ファミコン沙羅曼蛇
- OVA 沙羅曼蛇
- コズミックウォーズ
- 色違いのビックバイパー
- 2P カラー赤 (沙羅曼蛇 2) ※版権絵のみ (ゲーム中はスーパーコブラ)
- 2P カラー赤 (グラディウスⅤ)
- 緑 (スカイガールズ) ※アトリエ彩のプラモデル
- 赤 (スカイガールズ) ※アトリエ彩のプラモデル
- 明貴美加バージョン青 (グラディウスⅡ) ※アトリエ彩のプラモデル
- 明貴美加バージョン緑 (グラディウスⅡ) ※アトリエ彩のプラモデル
このように翼形状やカラーリングが大きく異なってもビックバイパーとして認識できています。
ところでグラディウスシリーズには、 ビックバイパー以外にも 「先割れ」 の戦闘機がいくつか登場します。
- メタリオン (MSX グラディウス 2) (先割れ、 垂直尾翼が 2 枚、 機体色は白) ※シューティングゲームヒストリカで公式立体化以降
- アルピニア (ソーラーアサルト) (先割れ、 垂直尾翼が 2 枚、 機体色は灰)
上記を踏まえると、 ビックバイパーとメタリオンやアルピニアを見分けられている理由がよくわからなくなってきます。
ゾラディウス(2003)
ビックバイパーが前進翼になったのはゾラディウスが最初で、 武装神姫のデザインもこれが元になった。
ゾラディウスのビックバイパーはクラッシャージョウのハーピィと同じで先割れが機首の左右にくっついてる形になっている。
ロボットから変形する都合上、 その他の形もだいぶ違うのにビックバイパーって認識できてるのはすごいことだと思う。
TVアニメ『Get Ride!アムドライバー』(2004~2005)
2006 年トミーと合併しタカラトミーとなる前のタカラは、 2000 年から 2005 年までコナミグループ傘下だった。
2005 年にコナミとの資本提携が解消され、 インデックスの傘下となったがコナミとの業務提携は継続された。
そんな時期にコナミがおもちゃを展開した TV アニメがアムドライバーで、 コナミは主題歌やゲーム (GBA、 PS2) も手掛けた。
ネオクロスバイザーはおもちゃが投げ売りされてたときにハセガワのプラモとくっつけてビックバイパー作った人がいる。
ネオクロスバイザー自体はビックバイパーと似ても似つかないが、 白と青のカラーリング、 先割れ、 ロボットに変形する点が一致する。
武装神姫(2006)
コナミがアムドライバーの後、 2006 年から展開したメカ少女のアクションフィギュア。武装を着脱して組み換え遊びが可能になっている。
コナミは 2005 年からトレーディングフィギュア 「島田フミカネ メカ娘」 を展開しており、 島田フミカネ推しだった。
2008 年発売の飛鳥は同じく島田フミカネデザインのストライクウィッチーズがフィギュア発売前で、 ニコイチで再現できるため売れた。
アムドライバーのネオクロスバイザー同様に、 他作品を連想させる商品展開を行ったことになる。
グラディウス関連では 2011 年にビックバイパー型 MMS ヴィルヴィエッタ、 リルビエートを発売。
2012 年に TV アニメ化したが商品展開は終了しファンを混乱させた。元々高額商品ということもありビックバイパー型は現在入手困難。
スカイガールズ(2007)
武装神姫と互換性のある MMS として登場人物がフィギュア化された。
OVA は 2006 年発売だが、 2007 年の TV アニメでスカイガールズのライバルとして前進翼のビックバイパーが登場。デザイナーは明貴美加。
アトリエ彩が市販品としては初となるスカイガールズ版ビックバイパーをプラモデル化、 赤 ・ 緑のカラーバリエーションを展開。
後にアトリエ彩はグラディウスⅠ~Ⅳのビックバイパーもプラモデル化するが、 グラディウスⅢをのぞく 3 種類の造形がほぼ同じと物議を醸す。
グラディウスⅡビックバイパーは明貴美加バージョン青 ・ 緑というバリエーションが存在。
オトメディウス(2007)
武装神姫と互換性のある MMS として登場人物がフィギュア化された。
デザイナーは吉崎観音。ライディングバイパーという飛行バイク型にアレンジされた空羽亜乃亜&ビックバイパーなどが登場。
オトメディウスはグラディウスシリーズを中心にコナミの旧作ネタがふんだんに盛り込まれたゲーム内容になっている。
ビックバイパー型MMS(2011)
デザイナーは明貴美加。
2 種類あり、 青のヴィルヴィエッタは前進翼機、 赤のリルビエートはデルタ翼機にそれぞれ組み換え遊びが可能なフィギュアとなっている。
それぞれビックバイパー、 ロードブリティッシュを連想させるネーミングだが、 リルビエートはロードブリティッシュではなくビックバイパー。
ヴィルヴィエッタ、 リルビエートともに戦闘機形態はゾラディウス版ビックバイパーを踏襲したデザインとなっている。
総じて 2000 年代のビックバイパーは、 ビックバイパー開発史で先割れの理由を後付け設定する一方、 人型に変形するタイプを多数デザインし、 先割れが機体と一体化していなくてもビックバイパーとして認識させる方向に展開しました。
ただしスターウォーズ新三部作が展開された時期と重なるため、 コナミだけが先割れ SF メカを量産していたわけではなく、 メカデザイナーの間でちょっとした先割れブームだったのかもしれない、 くらいで考えたほうがよさそうです